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損害賠償を請求されたらどうすればいい? 弁護士に相談すべきケース

2021年03月22日
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損害賠償を請求されたらどうすればいい? 弁護士に相談すべきケース

令和2年9月に、大阪府八尾市の小学校で受けたいじめを原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、被害者児童と両親が、加害者児童の両親と市に対して損害賠償を求める裁判を起こしたという報道がありました。

何らかのトラブルがあった場合には、損害賠償を求めて被害の回復を図るということが基本的な被害救済の手段となっています。上記の報道では、いじめを理由として損害賠償請求をしていますが、交通事故、離婚、契約上のトラブルなど日常生活のあらゆる場面で、誰でも損害賠償請求を受ける可能性があります。

実際に損害賠償請求をされた場合には、どのように対処したらよいのでしょうか。

今回は、損害賠償請求をされたらどうすればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所 大阪オフィスの弁護士が解説します。

1、損害賠償請求とは何か

ある日突然、損害賠償を求める通知書が届き困惑したという経験のある方もいるかもしれません。以下では、損害賠償請求とは何か、損害賠償請求をされた場合に確認すべきことを説明します。

  1. (1)損害賠償請求についての基礎知識

    損害賠償請求とは、相手からの違法な行為や契約上の義務の履行がなされないことによって、損害を被った場合に、その損害を金銭によって換算し、賠償を求めることをいいます

    主に、民法415条によって規定されている債務不履行や、民法709条によって規定されている不法行為を根拠として請求されることが多いでしょう。

    ①債務不履行に基づく損害賠償請求
    債務不履行に基づく損害賠償請求について、民法415条は、以下のとおり規定しています。

    (債務不履行による損害賠償)
    第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
    2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
    一 債務の履行が不能であるとき。
    二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
    三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。


    債務不履行に基づく損害賠償は、主に当事者間に契約関係がある場合において、契約上の義務を履行できないときに請求されます。債務不履行に基づく損害賠償の例は、以下のとおりです。

    • お金を借りたのに期限までに返済しない場合(履行遅滞)
    • 著名な画家の絵を購入したが、引渡し前に火事により滅失してしまった場合(履行不能)
    • 野菜を5ケース売却したが、1ケース分が腐っていたような場合(不完全履行)

    ②不法行為に基づく損害賠償請求
    不法行為に基づく損害賠償請求について、民法709条は、以下のとおり規定しています。

    (不法行為による損害賠償)
    第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


    不法行為に基づく損害賠償請求は、当事者間に契約関係がない場合であっても、相手からの行為によって権利又は法律上保護される利益の侵害を受けた場合には、それによって生じた損害を請求することが可能です。不法行為に基づく損害賠償の例としては、以下のようなものがあります。

    • 交通事故により被害者に怪我をさせてしまった場合の治療費や慰謝料など
    • 不倫をした場合の配偶者からの慰謝料請求
    • 喧嘩をして怪我を負わせた場合の治療費や慰謝料
    • 会社でセクハラ・パワハラをした場合の労働者(従業員)からの慰謝料
  2. (2)損害賠償を請求されたら確認すべきこと

    突然内容証明郵便で通知が届き、損害賠償を請求された場合には、誰でも戸惑い、混乱してしまうと思います。相手が弁護士に依頼し、弁護士から請求がきた場合には、さらに不安に感じることもあるかもしれません。

    しかし、まずは気持ちを落ち着かせることが何よりも重要です。

    そして、文書で損害賠償請求がなされた場合には、その内容を確認し、どのような理由で請求をしているかを確認しましょう

    損害賠償請求をするためには、前記のとおり、法律の根拠に基づき請求をすることが必要になります。そのため、相手からの損害賠償請求は、どのような根拠で、どのような事実に基づき請求しているかを確認することが重要です。

    請求内容を精査したうえで、請求内容に心当たりがあるかどうかで、次に説明するとおり対応が異なってきます

2、心当たりがある場合とるべき行動

請求された内容に心当たりがあったとしても、全面的に相手の請求を受け入れて示談書を取り交わすべきかどうかは検討する余地があります。

  1. (1)損害賠償の金額についての交渉

    請求された内容に心当たりがあるとしても、相手から請求された金額を、きちんと精査するようにしましょう。損害額としていくら請求されているのかだけでなく、その内訳まで確認することが重要です。特に、慰謝料については、交渉の余地のある項目ですので、注意深く検討するようにしましょう。

    損害賠償の項目のうち慰謝料というのは被った精神的苦痛に対し金銭で賠償をするものです。このような慰謝料の性質上、慰謝料額算定に明確な基準がないため、事案によっては、著しく高額な慰謝料を請求されたということもありえます。

    明確な算定基準がないといっても、これまでの裁判例から、同種事案に対する慰謝料相場を勘案することも可能です。請求された金額が慰謝料相場と比較してあまりにも過大な請求をされたという場合には、減額を交渉する余地があります。

  2. (2)支払い方法についての交渉

    損害賠償請求をされた場合、通常、相手は損害額を一括で支払うように求めてきます。たとえば、交通事故の事案で任意保険会社の保険で対応し、一括で支払うことが可能であれば、特に問題はありませんが、その他の事案で損害賠償額が高額になる事案では、一括で支払うことが難しい場合もあるでしょう。

    そのような場合には、分割払いの交渉をするという方法もあります。

    損害賠償の請求側としても、損害額が高額になる場合には、一括での支払いが難しい場合があるということも理解しているでしょう。そのため、損害賠償の請求を受けた側が自分の収入や資産を正直に申告し、一括での支払いが困難な事情を説明すれば、分割払いの提案をすることで受け入れてもらえるかもしれません。

    もっとも、分割払いの期間があまりに長期間になる場合には、相手も難色を示す場合がありますので、分割払いの期間はある程度現実的なものであることが必要です。

3、心当たりがない場合すべきこと

請求された内容に心当たりがないとしても、相手からの請求を無視しないということが重要です
請求を無視された相手が次にとる行動としては、裁判所に訴訟を提起するという方法が考えられ、その場合は裁判所から訴状が届きます。

「身に覚えがないことだから」と、裁判所からの訴状に何の対応もしなければ、裁判所は、相手の主張を全面的に認めたとみなして、相手の請求を認める判決を言い渡すことになります。そして、判決を得た相手は、最終的に強制執行を申し立て、あなたの財産を差し押さえてしまうかもしれません。

相手の請求を無視し続けるということは、このようなリスクがある行為ですので、基本的には避けたほうがよいでしょう。

4、弁護士に依頼したほうがよいケース

損害賠償請求をされたときには、基本的には弁護士に相談することをおすすめします。

請求された内容に心当たりがある場合には、請求額や支払い方法について、相手と交渉をすることになるでしょう。しかし、損害賠償に心当たりがあるということは、相手との関係では負い目があるなどの理由で弱い立場にあり、相手の主張に対し強く反論することができない場合が多く、相手の要求を拒むということが難しい場合が多いです。

弁護士に依頼をすることで、相手との交渉を一任することができ、慣れない交渉という精神的負担から解放されるメリットがあります

他方、請求された内容に心当たりがないというケースでも、弁護士に相談をすることが有益です。

先ほど説明したとおり、相手からの請求を無視するのは非常にリスクの高い行為です。そのため、相手からの請求に対し、適切に反論を行う必要があります。

弁護士に相談をすることで、どのような観点から反論したらよいかについてアドバイスをもらうことができ、自分で反論することが難しければ弁護士に一任するということも可能です。

損害賠償請求という事案は、訴訟に発展することも多い事案ですので、早期に弁護士に相談をすることで、交渉だけでなく訴訟手続きについても引き続き対応してもらうことができます

損害賠償を求める手紙が届いた場合には、早期に弁護士に相談するようにしましょう。

5、まとめ

突然、損害賠償を請求する内容の手紙が届いたら、誰でも混乱してしまうはずです。そのような状態では、損害賠償をした相手と適切に交渉することは難しいですし、混乱した結果、請求を無視してしまうということは絶対に避けなければなりません。

弁護士は、多くの交渉事件を扱っており、相手との交渉については専門家です。請求内容に心当たりがあってもなくても弁護士に相談することで、適切なアドバイスをもらうことができ、解決まで導いてもらうことができます。

突然損害賠償請求をされてお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 大阪オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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