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遺産の相続放棄で損をしないために知っておきたい相続放棄すべきケース

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2018年07月04日
  • 相続放棄・限定承認
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遺産の相続放棄で損をしないために知っておきたい相続放棄すべきケース

遺産相続したとき、遺産の中に借金などのマイナスの遺産(負債)が含まれていると、借金も相続の対象になってしまいます。このようなとき、相続人が借金を支払いたくなければ「相続放棄」が有効な対策方法です。遺産の相続放棄をするとどのような効果があり、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?
今回は、遺産相続したときに相続放棄するべきケースをはじめとして、相続放棄の基礎知識について弁護士が解説します。

1、相続放棄とは

まずは「相続放棄」とは何か、理解しましょう。
相続放棄とは、一切の遺産を相続しないですべてを放棄してしまうことです。相続放棄をすると、その人は当初から相続人ではなかった扱いになります。
遺産相続したとき、相続の対象となるのは預貯金や不動産などのプラスの資産だけではありません。借金や未納の税金、健康保険料、未払い家賃などのマイナスの負債がすべて相続されます。
負債は、法定相続人に対して法定相続分に従って分割相続されます。たとえば親が亡くなって3人の子どもが遺産相続する場合には、借金が子どもたちに3分の1ずつ引き継がれます。
このとき、何も対処せずに単純相続してしまったら、子どもたちはそれぞれ相続した負債を支払わねばなりません。相続したプラスの遺産から支払いができない場合、相続人自身の財産から支払う必要があります。支払えない場合には、債権者は相続人らに対して訴訟等によって債務の履行を請求できますし、判決が出たら相続人自身の財産や給料などを差し押さえられる可能性もあります。
これに対し、相続放棄をすると、相続人は一切の遺産相続をしないので、被相続人の債権者から請求されずに済みますし、万一間違って請求されたときにも「相続放棄した」ことを理由に支払いを拒むことができます。債権者から裁判を起こされても、裁判所から届いた相続放棄の「受理証明書」や「受理通知書」を提出すれば、相手の請求を棄却させることができます。

2、相続放棄の件数は年々増え続けている

それでは、実際に遺産の相続放棄をする人数はどのくらいになっているのでしょうか?

  1. (1)相続放棄の件数と相続税納付件数の関係

    最高裁判所が出している司法統計の資料によると、平成元年の時点では遺産の相続放棄の件数が約4万3千件でした。しかし平成10年には8万3千件程度にまで増加し、平成14年には14万件程度に増え、平成25年には約17万3千件になって、平成27年には約19万件にものぼっています。
    つまりこの27年で約5倍にもなったということですから、大変な伸び率であることがわかります。
    なお、相続税の納税者との数を比べてみると、平成元年当時は相続税納付件数が約12万件となっており、相続税納付者が相続放棄者を大幅に上回っている状態でした。ところが相続放棄者が数を増やし、相続税納付者の数が減ったため、平成14年には遺産の相続放棄者が相続税納付者の数を上回りました。これは、平成の始めにバブルが崩壊し、その後も不況が続いたことが影響しています。平成15年以降も相続放棄の件数は相続税納付件数を上回り続けてきました。
    ただ、平成27年において、相続税納付件数が約11万件から約23万件に跳ね上がり、相続放棄の件数を逆転しています。これは、平成27年から相続税の基礎控除が減額されて、それまで相続税を支払っていなかった家庭でも相続税の納付が必要になったことが影響しています。

  2. (2)相続放棄が増えている背景

    一般に、相続放棄をする人はどういった理由で遺産相続を放棄しているのでしょうか?
    もっとも多いのは借金の相続です。負債を相続すると、自らに支払い義務が及ぶので、支払を免れるために相続放棄をします。
    また、それ以外にも、不動産としての価値が低い実家を相続したケースでも相続放棄する例が増えています。実家が田舎にあって遠方のケースなどでは、維持管理をすることも大変です。所有し続けている限り、毎年固定資産税がかかりますし、自分で維持管理をしなければ管理会社に依頼する必要があり、余計な費用が発生します。
    賃貸活用できれば良いですが、そういったことも難しい物件があります。近年では少子高齢化と地方の過疎化が進んでいるため、都会に居住している子ども世代にとって田舎の実家が負担となり、相続放棄する背景事情となっていると考えられます。

3、相続放棄を検討すべきケース

以下のようなケースでは、遺産の相続放棄することを特に強くお勧めします。

  1. (1)債務超過の場合

    まずは、遺産の内容をプラスマイナスで差引計算したときに、債務超過になっているケースで相続放棄を検討しましょう。つまり、資産よりも負債の金額の方が多いケースです。
    たとえば預貯金や不動産を総合計すると3000万円の場合、3000万円を上回る金額の負債があれば相続放棄すべきです。一方、もしも負債が2000万円であれば、預貯金や不動産を換金して負債を支払ってしまえば手元に1000万円が残るので、相続放棄すると損になってしまいます。この意味で、相続放棄するかどうか決めるときには、遺産内容の調査が不可欠となります。

  2. (2)被相続人が保証人だった場合

    次に、被相続人が保証人になっているケースがあります。
    保証人の地位も相続人に引き継がれるからです。保証債務が相続されると、主債務者がきちんと負債の支払いをしないとき、債権者は相続人たちのもとに支払い請求をしてきます。
    保証債務は相当な多額になっていることもあるので、注意が必要です。
    相続人が多額の負債の保証をしており、主債務者が支払う見込みが低い場合や支払いの確実性が疑わしいケースなどでは、遺産の相続放棄を検討した方が良いでしょう。

  3. (3)その他のケース

    その他のケースとしては、以下のような場合にも遺産の相続放棄を検討する意味があります。

    相続トラブルに巻き込まれたくない
    相続人が複数いる場合に遺産を相続するためには、相続人たちが全員参加して「遺産分割協議」を行う必要があります。相続人同士の折り合いが悪いケースや連絡を取りにくいケースでは、遺産分割協議は非常に面倒ですし、遺産分割調停や審判などのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
    そこで、当初から遺産に関心がなく相続トラブルに巻き込まれたくない相続人は相続放棄をすると良いでしょう。

    生命保険の死亡保険金を受け取れる
    相続人が生命保険の死亡保険金の受取人に指定されている場合には、比較的遺産の相続放棄をしやすいです。生命保険の死亡保険金は「遺産」ではないと考えられているので、相続放棄をしても受け取ることができるからです。
    自分が高額な死亡保険金の受取人になっているならば、早めに相続放棄の申述をして相続人から外れることで、面倒な相続手続に関与せずに済み高額な保険金も受け取れるので、メリットが大きくなります。

    裁判を起こされている
    被相続人がさまざまな事情で裁判を起こされているケースがあります。たとえば交通事故を起こして損害賠償請求をされていることもありますし、未払いの買掛金があって取引先から訴訟を起こされていることもあるでしょう。
    裁判の被告の地位も、基本的には遺産相続の対象になってしまうので、裁判沙汰に関わりたくない場合には相続放棄をする意味があります。

4、相続放棄のメリット・デメリット

相続放棄をすることにより、どのようなメリットとデメリットがあるのか見てみましょう。

  1. (1)相続放棄のメリット

    メリットは、主に以下の2つです。

    ①負債を相続せずに済む
    1つ目のメリットは、被相続人の借金などの負債を相続せずに済むことです。特に税金や健康保険料などの公的な支払いを滞納していたケースでは、相続放棄のメリットが大きくなります。一般のローンやクレジットカードなどの負債は「自己破産」などの債務整理をすると解消できますが、税金などの公的な支払い義務は、債務整理の対象にならないからです。
    多額の税金支払い義務を相続してしまいそうであれば、早急に相続放棄を検討した方が良いでしょう。

    ②遺産相続トラブルに巻き込まれずに済む
    相続放棄のもう1つのメリットは、遺産相続トラブルに巻き込まれずに済むことです。
    遺産相続をするときには、相続人が遺産分割協議を進める際にトラブルになってしまうことが非常に多いです。もめると家庭裁判所で遺産分割調停や審判の手続きを進めなければならず、相続開始後3年、4年が経過してもまだ解決していない、というケースもあります。
    早期に相続放棄すると、そのようなトラブルにかかわらずに済みます。

  2. (2)相続放棄のデメリット

    一方、相続放棄には以下のようなデメリットがあります。

    ①資産が負債を超過すると損になる
    遺産相続をしたとき、すぐには資産超過か債務超過かわからないケースが多いです。
    借金があると思っても、財産調査をしてみたら意外と多くの資産があり、全体として見るとプラスになることがあります。そのようなケースにおいて、早期に相続放棄してしまったら、資産も相続できなくなって損をしてしまいます。後に説明するようにいったん相続放棄が受理されると撤回できないので、相続放棄する前には「本当に放棄してしまっても良いのか」慎重に検討すべきです。

    ②次順位の相続人に相続権が移転する
    遺産の相続放棄をするときには、もう1つデメリットというか注意しておくべきことがあります。それは、先順位の相続人が相続放棄すると、次順位の相続人に相続権が移ることです。
    たとえば子どもが相続放棄したら他に直系卑属がいなければ親に相続権が移りますし、親が相続放棄したら、他に直系尊属がいなければ兄弟姉妹へと遺産相続権が移ります。
    そこで、債務超過になっていて親族全員が相続を免れたい場合には、先順位の相続人だけではなく後順位の相続人もまとめて相続放棄する必要があります。
    自分が相続放棄しても後順位の相続人への連絡はされないので、親交の深い相続人がいるならば、相続放棄の際に連絡をしてあげると親切です。

5、相続放棄の期限は3ヶ月

  1. (1)熟慮期間とは

    遺産の相続放棄をするとき、1点非常に重要なことがあります。それは、相続放棄の期限です。
    相続人になったときには「相続放棄」か「限定承認」か「単純承認」の3つの対応を選ぶことができますが、これらを選択できる期間は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」です(民法915条)。この3ヶ月の期間のことを「熟慮期間」と言います。
    熟慮期間を過ぎると、当然に単純承認が成立して、相続放棄や限定承認ができなくなってしまいます。

  2. (2)熟慮期間の考え方

    熟慮期間は「自己のために相続の開始があったことを知ってから3ヶ月」ですが、具体的にはどのようにして3ヶ月をカウントするのかが問題です。
    これについては、基本的に「相続の開始があったことを知ったとき」から3ヶ月間を意味すると考えられています。ただし、相続が開始しても、まったく遺産がないと信じていたのであれば、相続放棄や限定承認をする動機がありません。そこで、まったく遺産がないと信じており、かつ信じていたことに相当な理由がある場合には、相続開始後3ヶ月が経過していても、例外的に相続放棄が認められます。
    たとえば、被相続人と生前まったく連絡を取っておらず、被相続人が借家に住んでいて特に目立った資産もなく、債権者や税務署、市役所などからも支払いを督促する郵便が届かず電話もかかってこなかった場合などには、相続人が「遺産がまったくないと信じていた」と言っても通用しやすいでしょう。

  3. (3)熟慮期間の伸長について

    相続人になったとき、すぐには相続放棄すべきか限定承認すべきか単純承認すべきか、決められないケースがあります。そのようなときには、家庭裁判所に申立をすることによって、熟慮期間を伸長してもらえる可能性があります。
    熟慮期間の伸長が認められたら、伸ばされた期間内に相続放棄や限定承認の申述をすることができます。
    ただし、どのようなケースでも熟慮期間を延ばしてもらえるわけではありません。認められやすいのは以下のようなケースです。

    • 相続財産の数が多い場合や内容が複雑な場合
    • 相続人が海外や遠隔地に居住している場合


    相続財産調査に時間がかかるケースや相続人が遠方で動きをとりにくいなどの特段の事情がある場合に熟慮期間の伸長が認められる可能性があります。
    そういった事情がないのに、「どうしたら良いか迷っているので熟慮期間の延長を認めてほしい」と言って申立をしても認められるものではないので、注意が必要です。

  4. (4)法定単純承認について

    遺産の相続放棄を検討するときには「法定単純承認」に注意が必要です。法定単純承認とは、該当する事情があると、当然に単純承認が成立してしまうことです。
    法定単純承認が成立するパターンにはいくつかありますが、代表的なものは相続人が相続財産を処分してしまったときです。たとえば預貯金を解約して自分のものとして使ってしまったり相続した物を壊してしまったり捨てたりすると、法定単純承認が成立して、相続放棄も限定承認もできなくなってしまいます。
    借金を相続してしまい相続放棄を検討しているのであれば、相続対象の遺産には手をつけず、相続財産管理人に引き渡すまでの間、適切に管理する必要があります。

6、相続放棄の撤回はできない

遺産の相続放棄をしても、その後に高額な資産が見つかる場合などもあります。そのようなケースでは、相続放棄後に相続放棄の撤回ができるのでしょうか?
相続放棄は、基本的に撤回することのできない手続きです。ただし「受理」される前なら取り下げ可能です。
相続放棄が成立するには、相続人(申述人)が家庭裁判所に相続放棄の申述をして、家庭裁判所が相続放棄を受理することが必要です。相続人が相続放棄の申述をしても、すぐに受理されるわけではなく、裁判所によって「相続放棄についての照会」が行われたりするので、2、3週間程度はかかります。裁判所が相続放棄の申述を「受理」した時点で正式に相続放棄が成立します。そこで、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出し、その後受理されるまでの間に気が変わったのであれば、早期に家庭裁判所に撤回の意思表示をしたら相続放棄の効果は発生しません。
また、いったん受理されてしまったケースであっても、詐欺や強迫(民法96条)によって相続放棄させられた場合には取消しができます。たとえば、他の相続人や利害関係人から脅された場合やだまされて相続放棄の申述書を提出してしまった場合には、相続放棄を取り消して効果を失わせることができます。

このような例外はありますが、相続放棄は基本的には撤回できない手続きです。被相続人の死亡後、戸籍謄本などの書類を取り寄せて自分が遺産相続人になっていることが明らかになったら、速やかに財産関係の調査を開始し、正確に状況を把握した上で相続放棄するかどうか決めましょう。

まとめ

遺産の相続放棄については、知っているようで知らないことが多いものです。熟慮期間は意外と短いので、負債を相続したくないのであれば、早期に相続放棄または限定承認をしなければなりません。自分では適切に判断できない場合や財産調査の方法がわからない場合、相続放棄か限定承認かで迷ってしまった場合などには専門家である弁護士に相談すべきです。
相続放棄についてお悩みであれば、ベリーベスト法律事務所大阪オフィスの弁護士まで、お気軽にご相談ください。

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