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外国人と日本人の子どもの胎児認知はどうなるの? 国籍のルール

2021年05月10日
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外国人と日本人の子どもの胎児認知はどうなるの? 国籍のルール

大阪市が公表している「人口動態総覧」によると、平成30年度の大阪市内での婚姻件数は、1万7310件でした。大阪市の人口千対の婚姻率は6.4ですので、同年度の大阪府全体の婚姻率5.1や全国の婚姻率4.7と比べても非常に高い水準であることがわかります。

子どもを出産する女性のなかには、男性と籍を入れることなく子どもを出産しようと考えている方もいるでしょう。事実婚を選択する夫婦であったり、シングルマザーを選択するなどその理由はさまざまです。

ところで、子どもの父親が外国人であったり、母親が外国人であった場合に生まれてくる子どもの国籍はどのなるのでしょうか。子どもを認知することによって何か違いがあるのかどうかも気になるところです。

今回は、外国人と日本人の間に生まれた子どもの国籍のルールと認知に関する問題についてベリーベスト法律事務所 大阪オフィスの弁護士が解説します。

1、子どもの国籍のルール

日本人と外国人の間に生まれた子どもの国籍はどうなるのでしょうか。以下では、子どもの国籍に関する基本的なルールについて説明します。

  1. (1)国籍法の基本的なルール

    子どもの国籍がどのように決まるかについては、憲法10条が「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」としているのを受けて、国籍法によってルールが定められています。

    国籍法2条1号は、「出生の時に父又は母が日本国民であるとき」には、その子どもは日本国籍を取得すると定めています。このように親の国籍を基準に子どもの国籍を決定することを「血統主義」といいます。日本では、日本人の親が父親であるか母親であるかに関わらず、子どもは日本国籍を取得します

    なお、国籍法2条1号が定める「父又は母」とは、子どもが出生した時点で法律上の親子関係がある父または母のことをいいますので、婚姻関係がある男女の間に生まれた子どもであることまたは後述する胎児認知がなされていることを前提としています。

  2. (2)嫡出子と非嫡出子によって国籍取得が異なる

    生まれた子どもが嫡出子であるか、非嫡出子であるかによって、子どもの国籍取得の考え方は異なってきます。

    嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子どものことをいいます。他方、非嫡出子とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子どものことをいいます。

    嫡出子の場合には、母親が日本人で父親が外国人、母親が外国人で父親が日本人のどちらのケースでも国籍法2条1号によって生まれた子どもは日本国籍を取得します

    他方、非嫡出子の場合には、以下のとおり両親のどちらが日本人かによって扱いが異なります。

    ① 母親が日本人で父親が外国人の場合
    母親と子どもの親子関係については、認知によらず分娩の事実によって当然に発生するものと考えられていますので、日本人の母親から生まれた子どもは、国籍法2条1号によって当然に日本国籍を取得します

    ② 母親が外国人で父親が日本人の場合
    母親が外国人で父親が日本人であり、婚姻関係にない両者の間に子どもが生まれたときには、子どもは基本的に母親の外国国籍のみを取得します。何も手続きをしない場合には、生まれてくる子どもは日本国籍を取得することができません。
    子どもが日本国籍を取得するためには、日本人の父親から認知を受ける必要があります。認知についての詳しい内容については、後述します。

2、認知

母親が外国人で父親が日本人の未婚の夫婦から生まれた子どもが日本国籍を取得するためには、「認知」という手続きが必要になります。認知とはどのような制度のことをいうのでしょうか。以下で詳しく説明します。

  1. (1)認知とは

    認知とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもについて、法律上の親子関係を生じさせる手続きのことをいいます。母親については、分娩の事実によって当然に法律上の親子関係が生じますので、認知は、父親と子どもとの間に法律上の親子関係を生じさせる手続きであるといえます。

    認知をするためには、市区町村役場に認知届を提出して行う任意認知の方法が一般的ですが、父親が認知をしてくれないときには、調停認知や裁判認知によって行う強制認知という方法もあります。

  2. (2)認知の種類

    認知については、認知をする時期に応じて「胎児認知」と「出生後認知」の二種類に分類されます。

    ① 胎児認知
    胎児認知とは、子どもが生まれる前の胎児の段階で認知をすることをいいます

    子どもが生まれてから認知を行うのが一般的ですが、父親が病気などによって子どもが生まれる前に亡くなってしまう可能性があるケースで親子関係を明らかにする手段として利用されています。

    なお、胎児認知をするためには、母親の承諾が条件とされています。

    ② 出生後認知
    出生後認知とは、子どもが生まれた後に父親が認知をすることをいいます。子どもが生まれた後であればいつでも認知をすることができますが、子どもが成人している場合には、その子どもの承諾を得る必要があります。

3、胎児認知届を出す場合

母親が外国人で父親が日本人の場合に、胎児認知をする場合にはどのような手続きになるのでしょうか。以下では胎児認知届について詳しく説明します。

  1. (1)胎児認知届の提出

    胎児認知をする場合には、認知する父親が、母親の本籍地のある市区町村役場に認知届を提出して行います。母親が外国人の場合には、本籍地は存在しませんので、母親の住所地の市区町村役場に認知届を提出しましょう。胎児認知の場合には、母親の承諾が要件とされていますので、認知届に母親が承諾をした旨の署名捺印が必要になります。

    認知届の「認知される子」の欄については、まだ子どもが出生していませんので、氏名を「胎児」と記入し、性別や生年月日などは空欄にしておきましょう。

  2. (2)胎児認知と国籍取得の関係

    胎児認知をすることによって、子どもが出生した時点から、日本人の父親との間に法律上の親子関係が成立することになります。そのため、出生と同時に子どもは日本国籍を取得することが可能です

    婚姻関係にある男女の間に生まれた子どもであれば、父親の戸籍に入ることになりますが、未婚の外国人女性と日本人男性との間に生まれた子どもは、認知を受けたとしても子ども単独の戸籍が編製されることになります。

4、出生後認知の場合

母親が外国人で父親が日本人の場合に、出生後認知をする場合にはどのような手続きになるのでしょうか。以下では出生後の認知届について詳しく説明します。

  1. (1)出生後認知届の提出

    出生後の認知届については、認知する父親の所在地または本籍地の市区町村役場に提出します。出生後認知の場合には、子どもの名前、性別、生年月日などが確定していますので、その内容も記入した上で提出をします。

  2. (2)出生後認知と国籍取得の関係

    母親が外国人で父親が日本人の場合に、未婚の状態で生まれた子どもについては、原則として母親と同じ外国籍を取得することになります。父親から出生後認知を受けることによって、国籍法3条によりその子どもは日本国籍を取得することが可能になります

    日本国籍を取得するためには、認知届の提出だけでなく、国籍取得のための手続きを別途行う必要があります。認知された子どもの住所地を管轄する法務局(外国に住所を有するときは、住所地を管轄する日本の大使館・領事館)に出頭し、書面によって届出をする必要があります。その際には、以下の書類が必要です。

    1. ① 認知した父の出生時からの戸籍謄本など
    2. ② 国籍の取得をしようとする子どもの出生を証する書面
    3. ③ 認知に至った経緯などを記載した父母の申述書
    4. ④ 母が国籍の取得をしようとする子どもを懐胎した時期の父母の渡航履歴を証する書面
    5. ⑤ その他実親子関係を認めるに足りる資料


    このように出生後認知では、日本国籍取得にあたっては煩雑な手続きが必要になりますので、できる限り胎児認知によって対応するとよいでしょう

5、子どもの養育費などは弁護士へ相談

未婚の状態で子どもを出産する予定の方は、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

  1. (1)認知についての手続きをサポートしてもらえる

    近年、事実婚を選択する夫婦やシングルマザーを選択する女性も増えてきましたが、事実婚の状態では法律婚をした場合と同様の保障が得られない可能性があります。

    生まれてくる子どもについては、父親から認知を受けることによって、養育費の請求や父親の相続権を獲得するなどさまざまなメリットを受けることができます。特に外国人女性が子どもを出産する場合には、日本人男性から認知を受けることによってその子どもが日本国籍を取得することができるということも大きなメリットです。

    子どもを身籠った状態では、父親との認知の話し合いを思うように行うことができないと思いますので、認知の話し合いについては弁護士を代理人にして行うのがよいでしょう。

  2. (2)認知によって養育費を請求することが可能

    認知をすることによって子どもと父親との間には法律上の親子関係が生じることになります。その大きなメリットが養育費の請求が可能になるという点です

    シングルマザーとして子どもを育てることになった女性としては、経済的な面で不安を感じることが多いと思います。子どもが成人するまでの間、定期的に養育費として父親からお金をもらうことができれば、安心して生活を送ることができるでしょう。

    認知を拒否されたケースでは、養育費の支払いについても揉めることが多いので、専門家である弁護士のサポートを受けながら養育費の交渉を進めるのがよいでしょう。調停や審判になったとしても弁護士がサポートをしてくれますので、安心して任せることができます。

6、まとめ

日本人と外国人との間に生まれた子どもを認知する場合には、日本人同士の場合と異なり、国籍に関する問題も絡んでくるため、とても複雑になります。

きちんと認知をしてもらうことが子どもの利益につながりますので、子どもの認知についてお悩みの方はベリーベスト法律事務所 大阪オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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